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新卒研修の総仕上げ(チーム開発・成果発表)をどう設計するか:目的・伴走・評価を 2026 年度の公開例で比べる

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先に結論

  • 調べた 13 社の総仕上げは、期間が分かる会社では 5 日から 5〜6 週間まで、伴走は 1 チームに先輩 2 名から新卒 2 人にメンター 3 人までばらつく。目的の言葉は編集部の整理で 4 つの型(実践で開発を経験する・チームで進める・課題を見つけて解き現場に届ける・社内に見てもらう)に分かれ、配属前の見極めを目的に挙げた会社は見つからなかった。
  • 評価の観点(採点表)と、配属先に渡したものの中身は、どの会社も公開していない。最優秀賞(サイバーエージェント)や CTO の採否(BuySell Technologies の 2024 年度)はあるが、何を基準にしたかは書かれていない。
  • 編集部の見立ては、主目的を 1 つ決めてから、期間・伴走・生成 AI の扱い・評価をそこから引くこと。記事の後半に、目的ごとの設計の表、設計シート、伴走の時間の換算表、評価と引き継ぎの雛形を編集部の提案として置いた。

新卒エンジニア研修の最後に、チームで何かを作って発表する。この媒体の研修資料の索引に載せた会社のうち 26 社の記録に、チーム開発や成果発表の記述があります(2026 年 10 月 17 日、編集部が確認)。来年 4 月の研修をこの秋に組む研修担当は、外注先の提案書でも「最終週はチーム開発と成果発表」という行を見るはずです。

ただ、その行だけでは決まらないことがあります。

「新卒研修 チーム開発 最終課題 成果発表 設計」で検索すると(2026 年 10 月 17 日、編集部が確認)、上位には各社の過去の振り返り、学生向けのコンテスト、学校のシラバスが並びます。育てる側が総仕上げを何のために置き、どう評価しているかを比べたものは見つかりませんでした。

研修全体の期間・体制・分野は新卒エンジニア研修の横断比較で扱いました。この記事は最後のチーム開発と成果発表だけに絞り、13 社の公開記録を同じ物差しで並べます。13 社は、索引の記述を手がかりに主に 2024 年度以降の記録の原典を開き、総仕上げの目的・期間・伴走・発表のどれかが読み取れた会社です(26 社すべての原典を開いたわけではありません)。13 社のうち 6 社は 2026 年度の記録で、残りは 2022〜2025 年度の記録で設計の意図を補います。

記録の多くは受講した新卒本人が書いたものです。運営側が設計の意図を書いたのは、サイバーエージェント・クラスメソッド(2022 年度)・NE・DMM.com・レアゾン・ホールディングスに限られます。受講者の記事から引くときは、そう書き添えます。

言葉を短く説明しておきます。スクラムは、1〜数週間の区切り(スプリント)ごとに計画と振り返りを繰り返す開発の進め方です。PR(プルリクエスト)は、書いたコードをチームに見てもらう依頼で、LGTM はレビューで「問題ない」と返す合図です。メンターは新人に付いて相談に乗る先輩です。Git はコードの変更の記録を管理する道具で、複数人が同じ所を変えると「衝突」が起きます。擬似ロールは、研修のために割り当てた仮の役割です。ドワンゴの受講者の記事では、サービスオーナー(サービスの方針を決め、説明に責任を持つ)・スクラムマスター(進捗を管理し、毎日の定例を進める)・アーキテクト(システムの設計と品質に責任を持つ)・リードエンジニア(期限内に完成させるよう、機能の優先順位を調整する)の 4 つでした。

総仕上げの最中に起きていること

まず、総仕上げの最中に何が起きたかを、各社の記録から並べます。

誰の記録か書いていること
クラスメソッド(2022 年度、講師)目的の優先順位がどうにでも取れたため、研修の初期に価値提供のスピードを最優先にし、学ぶことやチームで協力することが二の次になる傾向があった
BuySell Technologies(2026 年度、受講者)1 日目は現場の理解があいまいなまま過ぎ、経過報告会では他チームが動く試作を出すなか、構想の発表にとどまった
freee(2025 年度、受講者)発表まで 2 日を切り、予定していた機能を削ろうとしていた。そのあと開発が一気に進み、発表までに実装を間に合わせた
DMM.com(2024 年度、育成担当)開発に加えて全体発表の準備があり、終盤は多くのメンバーが切羽詰まっていた
ドワンゴ(2026 年度、受講者)限られた時間では、設計したものすべてを作り切ることはできなかった

クラスメソッドの講師は、価値提供のスピードが優先された原因を、目的の優先順位があいまいだったことに置いています。

一方で、配属先の人を研修中から関わらせる仕組みを書いたのは NE(研修初日から配属チームを決め、チームの会議に出る)とドワンゴ(メンターが配属先の先輩)で、DMM.com では配属先のメンバーが成果発表を視聴しました。研修の記録を配属先に渡したと書いた会社は、調べた 13 社では見つかりませんでした。

総仕上げの目的は 4 つに分かれる

各社が総仕上げ(またはチーム開発の研修)の目的として書いている言葉を、編集部が 4 つに分けました。サイバーエージェントと BuySell Technologies(2024 年度)は目的を 2 つ挙げているので、それぞれを当てはまる行に分けて入れています。

目的の型(編集部の整理)会社と原典の言葉
実践で開発を経験するDMM.com(2024 年度)は、学んだ知識を実践でも使えるようにし、即戦力レベルへ成長すること。FLINTERS(2024 年度、受講者)は設計から開発の流れに触れることが目的で、アプリの完成は目的にしていない
チームで進めるサイバーエージェント(2026 年度)の 2 軸のうち「ソフトスキルの向上」(互いをリスペクトし合える強いチームを作るソフトな面)。BuySell Technologies(2024 年度)の 2 つ目、リーダーシップとチームワークの重要性を学ぶ
課題を見つけて解き、現場に届けるサイバーエージェントの 2 軸のうち「事業やプロダクトに対する判断の責任」(ビジネス視点で「なぜ作るのか」を問うハードな面)。BuySell Technologies(2024 年度)の 1 つ目、ユーザの課題を解決するまでのプロセスを学ぶ(最終発表で CTO が採用か不採用かを判断し、採用されたものは研修後も開発が続く)。BuySell Technologies(2026 年度、受講者)の「現場の一次情報から課題を発見・解決し、事業部に貢献する」
社内に見てもらうNE(2025 年度)は、社内の全エンジニアに成果物を共有し、作ったものにフィードバックをもらう経験を積み、先輩たちに新卒のことを知ってもらう

配属前の見極め(人の評価)を目的に挙げた会社は、調べた 13 社では見つかりませんでした。 CTO の採否は作ったものの採否で、人の評価ではありません。

NE の記録は、開発部に配属されたあとの 16 日間の研修の最後の成果発表で、チーム開発の研修とは書かれていません。目的の書き方の例として載せています。

エンジニアの総仕上げで変わったこと:レビューと生成 AI

編集部は、チーム開発を、コードレビュー・Git での作業の衝突・役割の分担など、研修の中で配属後の仕事に近い場面だと見ています(編集部の見立てです)。2026 年度は、ここに生成 AI が入りました。

サイバーエージェントの研修責任者は、生成 AI を積極的に使ったことで例年より実装時間を縮められ、その分を企画の解像度を上げる作業や発表資料、コンセプトムービーの制作に充てたチームもあったと話します。

受講者の記事には、速くなった実装の前後で詰まった話が並びます。

扱いは会社で正反対に分かれます。

扱い会社
総仕上げの前半まで禁止し、後半で解禁弁護士ドットコム(2026 年度、受講者)は、約 6 営業日のチーム開発を 2 回行い、1 回目まではコード生成を禁止、2 回目から解禁。質問や壁打ちは使えた
前の課題で禁止し、チーム開発で全力で使うfreee(2025 年度、受講者)は、前半 4 週間の Web ブラウザ開発を「AI 禁止」、後半 5 週間のテーマ別プロダクト開発を「AI 全力活用」とした
積極的に、または自由に使わせるサイバーエージェント(2026 年度、積極的に活用)、ラクーンホールディングス(2026 年度、受講者。Claude Code を自由に使ってチームでアプリを作る)

弁護士ドットコムの受講者は、禁止には研修担当の「良いもの」を自分で作り見抜く「審美眼」を磨いてほしいという思いがあったと書き、配属後に禁止期間のありがたみを感じていると振り返ります。レアゾン・ホールディングスの研修運営のメンバーは 2025 年度の研修全体を振り返り、生成 AI の回答を鵜呑みにして解決できず困っている研修生に何度も出会ったと話しています。

各社の公開記録の比較

総仕上げの組み方を並べます。時点は記事が扱う年度、括弧の「受講者」は受講した新卒本人の記事です。「−」は記事に書かれていないことで、やっていないという意味ではありません。出典は末尾にまとめました。

会社(年度)期間チーム伴走発表と評価配属への渡し方
サイバーエージェント(2026)−(研修全体は約 1 か月、新卒 67 名)−各チームに先輩 2 名が「チームメンター」。進め方の相談・技術支援・コンディションの把握実装の前に、企画を現場のエンジニア責任者や役員にプレゼンしてフィードバックを受ける。最優秀賞−
弁護士ドットコム(2026、受講者)約 6 営業日 × 2 回−(新卒エンジニアは 3 名)−アイデアの決定から設計・実装・成果物発表まで6 月から各サービスへ配属
BuySell Technologies(2026、受講者)5 日間(3 つの課題の 2 つ目)3 人 1 組で事業部を受け持つ2 日目に現場エンジニアのサポートタイム1 日目夕方に経過報告会、最終日に成果発表研修後もチームで開発を続け、導入から約 4 か月の時点で事業部の 4 グループで使われている
BuySell Technologies(2024、受講者)1 か月新卒 8 人で 2 チーム多くの先輩エンジニアの助言CTO が採用か不採用かを判断採用されたものは研修後も開発が続く
ドワンゴ(2026、受講者 2 本)5 週間(1 本は 1 週間 1 スプリントで全 6 スプリントと書く)4 人 × 3 チーム。サービスオーナー・スクラムマスター・アーキテクト・リードエンジニアを 1 人 1 つ研修運営とサポーターが朝会と振り返り会に毎回参加。メンターは配属先の先輩が 1 人に 1 人キックオフ・中間の振り返り・成果発表会。サービスを社内に公開し、先輩や同期が触ってフィードバックメンターが配属先の先輩
ラクーンホールディングス(2026、受講者)研修の後半チームごと−最後にプレゼン−
ラクス(2026、受講者)技術研修(4 月 13 日〜6 月 30 日)の最後チームで EC サイト−−7 月 1 日から配属後の研修
DMM.com(2024)約 3 週間新卒 30 名で 6 チーム−オンラインで、講師や配属先のメンバーなど常時 100 名程度が視聴。1 チーム 20 分−
freee(2025、受講者)後半の 5 週間−−研修発表前半と後半の間に仮配属 2 週間
クラスメソッド(2022、講師・2023、受講者)4 週間・6 月まるまる2022 は新卒 6 名で 1 チーム講師/ファシリテーター 2 名とオブザーバー 2 名。研修中は提供者の定例を週 2 回、のち週 1 回2023 は途中に社員がプロダクト案をレビュー、最後に社内の成果報告会7 月から各部署へ
FLINTERS(2024、受講者)技術研修の最後新卒 2 人顧客役は教育部の社員。新卒 1 人に 1 人以上のメンター。夕会はメンター 3 人・新卒 2 人・教育部 1 名の 6 人で、日報にコメントアプリの完成は目的にしていない−
ディップ(2025)−5 人(記事が 1 人ずつ紹介)でスクラム−社内で発表。CTO 室 DevRel の社員が 1 人ずつにコメントを書いたチーム開発のあとに配属
(参考)NE(2025)配属後の研修 16 日間の最終日新卒 2 名新卒 1 人に先輩 1 人の専属メンター。フォローメンターは配属チームの外から選んだ社内の全エンジニアに成果発表研修初日から配属チームを決め、チームの朝会・夕会・ふりかえりに出る。終了翌日に新卒とふりかえり、後日に受け入れ側だけのふりかえり

ドワンゴの 2 本はどちらも 2026 年度の受講者の記事で、期間の書き方が違います。どちらが正しいかは公開記録からは決められないので、両方を載せました。BuySell Technologies の 2026 年度の 5 日間は、3 つの課題のうち 2 つ目で、最後の課題は事業に沿った未来のサービスを考えて開発するものです。

公開されていないこと

なお、リクルートは 2026 年度の約 4 か月の研修(BootCamp)の講座を公開していますが、最後にチーム開発や成果発表を置いているかは読み取れなかったので、表に入れていません。

目的を 1 つに決めるという見立て

ここからは編集部の見立てです。

総仕上げは、主目的を 1 つ決めてから組むのがよいと考えます。根拠は、クラスメソッドの講師が 2022 年度の振り返りで書いた一文です。目的の優先順位があいまいだったため価値提供のスピードが優先され、研修の途中で優先順位を共有した。そのうえで「最初に目的の優先順位を提供するか、もっと分かりやすく一つの目的にするのも良さそうです」と書いています。

主目的が決まると、ほかが決まります。完成を求めるか、先輩がどこまで手を出すか、発表を誰に見せるかは、目的ごとに答えが変わるからです。終盤に作ることへ時間が寄ったとき、何を削るかの判断もできます。

反対の根拠もあります。 サイバーエージェントは重点を 2 軸に置き、BuySell Technologies の 2024 年度も目的を 2 つ公開しています。どちらも、目的が複数あってうまくいかなかったとは書いていません。そこで編集部の提案は「1 つに絞る」ではなく、主目的を 1 つ決め、ほかの目的には順位を付けて、最初の日に新卒と伴走役の両方に伝えることにします。クラスメソッドの講師が書いた 2 つの案のうち、前者に当たります。

目的ごとに決まる設計

編集部の提案です。 4 つの目的の型ごとに、ほかの項目をどう引くかを並べました。右端の列は、近い組み方を公開している会社です。

主目的完成を求めるか伴走役の手の出し方生成 AI発表の相手近い公開例
実践で開発を経験する求めない。設計から開発までの過程を振り返る技術の答えは聞かれてから。日報や夕会で振り返りにコメントする禁止の期間を置くか、使い方を振り返りの題にする新卒どうしと伴走役FLINTERS・DMM.com
チームで進める求めない。チームの運営を振り返る進め方とチームの状態を見る。運営のやり方はチームに決めさせる使わせるなら、どこまで生成させるかをチームで決めさせる新卒どうしと伴走役サイバーエージェント(ソフトスキルの軸)・BuySell Technologies 2024(チームワーク)・ドワンゴ(擬似ロール)
課題を見つけて解き、現場に届ける使われるところまで。研修後も続ける前提現場の担当者につなぐ。前提を問い直す助言をする使わせる。浮いた時間を現場の理解に回す題材を出した事業部と CTO など、採否を決める人BuySell Technologies・サイバーエージェント(判断の責任の軸)
社内に見てもらう動くものを見せられるところまで発表の準備を早めに始めさせるどちらでもよい配属先を含む社内の多くのエンジニアNE・DMM.com・ドワンゴ(社内公開)

「配属前の見極め」を主目的にする場合は、どの会社の公開例も無いので、この表には入れていません。選ぶなら、総仕上げとは別に、個人で答えさせる場を置くほうがよいと考えます。チームの成果から 1 人の力を切り分けるのは難しいからです。

総仕上げの設計シート

編集部の提案です。 来年度の総仕上げを、この表の右端の列に書き込んでください。真ん中の列は、調べた 13 社の公開記録の幅です。外注先の提案書と並べると、決まっていない行が分かります。

項目公開記録の幅自社の記入欄
主目的(1 つ)実践で開発を経験する・チームで進める・課題を見つけて解き現場に届ける・社内に見てもらう
ほかの目的と順位サイバーエージェントは 2 軸、BuySell Technologies の 2024 年度は 2 つ
期間5 日間(BuySell Technologies)〜5〜6 週間(ドワンゴ。記事により 5 週間 / 全 6 スプリント)
1 チームの人数とチーム数2 人(FLINTERS)〜6 人(クラスメソッド 2022)
役割の割り当てドワンゴは 4 つの擬似ロールを 1 人 1 つ
題材と完成の扱い完成を求めない(FLINTERS)〜CTO が採否を決め研修後も続ける(BuySell Technologies 2024)
伴走役の人数と役割1 チームに先輩 2 名(サイバーエージェント)、新卒 1 人に 1 人(ドワンゴ・NE)、新卒 2 人にメンター 3 人(FLINTERS)
伴走役の稼働の確保クラスメソッドは、その都度人を募る方式をやめ、少人数でも事前に稼働を確保した
途中の場キックオフ・中間の振り返り・成果発表会(ドワンゴ)。実装前の企画のプレゼン(サイバーエージェント)。1 日目夕方の経過報告会(BuySell Technologies)
生成 AI の扱い前半は禁止・後半で解禁(弁護士ドットコム)〜自由に使う(ラクーンホールディングス)
発表の相手社内の全エンジニア(NE)、常時 100 名程度(DMM.com)、テクノロジー戦略本部(BuySell Technologies 2024。CTO が採否を判断)
評価の観点と付ける人公開例なし(下の雛形を参照)
配属先に渡すもの公開例なし(下の雛形を参照)
研修後のふりかえり終了翌日に新卒と、後日に受け入れ側だけで(NE)

伴走の時間の換算

伴走役の時間は、外注先の見積もりに入らないことが多い費用です。編集部の提案として、伴走役 1 人の 1 週間の時間を次のように仮に置き、新卒の人数ごとに換算しました。数え方の単位は「伴走役 1 人の 1 週間」です。

合わせて、伴走役 1 人あたり週 4 時間 45 分になります。1 チーム 4 人、1 チームに伴走役 2 名(サイバーエージェントの組み方)、期間 4 週間で数えると、次のとおりです。

新卒の人数チーム数伴走役の人数伴走役の時間の合計(1 週間)4 週間の合計
3 名1(3 人)2 名9.5 時間38 時間
12 名36 名28.5 時間114 時間
30 名8(4 人 × 6、3 人 × 2)16 名76 時間304 時間

この時間は伴走役の先輩の時間で、研修運営や発表を見る人の時間は入っていません。相談が多い最初の週は、これより増えると見込んでおいてください。

評価と引き継ぎの雛形

評価の観点も、配属先に渡したものも、公開例が見つかりませんでした。そこで、各社が公開した問いや状態の書き方を、そのまま使える形に変えました。ここからは編集部の提案です。

評価シート

数え方を先に決めます。新卒 1 人につき 1 枚、観点ごとに文章で 1 つ書き、点数にはしません。 付けるのは伴走役で、本人も同じ問いに答えます。点数にしないのは、総仕上げはチームの成果で、1 人の点に切り分ける根拠が無いからです。

観点本人に聞く問い元にした公開記録
課題と価値誰のどんな課題を解決し、どんな価値を出したかサイバーエージェントが企画のプレゼンで言語化させた問い
現場の理解作る前に、その業務がなぜ行われているかを確かめたかBuySell Technologies の受講者が、先輩の助言のあとで立てた問い
判断の理由自分が承認した PR を、なぜ承認したか説明できるかラクスのメンターの問い「LGTMと判断したレビュー観点をリストアップして貰えますか?」
チームでの役割担った役割で、何を決め、何を相談したかドワンゴの擬似ロール
詰まったとき詰まったとき、何を見て、誰に何を聞いたかNE が書き出した「任されたタスクを自立して『進められない』」状態(どこを見たらいいか分からない、など)

配属先に渡す 1 枚

評価シートを、配属先のメンターが最初の 1 週間で読めるように 1 枚にまとめます。NE は受け入れのゴールから逆算し、1 年後に任されたタスクを自立して進められる状態と、進められない状態を言葉にしていました。引き継ぎの 1 枚も、配属先がその物差しで読めるようにします。

欄書くこと
担った役割と作ったもの自分が書いた部分と、チームに任せた部分
評価シートの要点5 つの観点のうち、できていたことと、まだのこと
生成 AI の使い方何に使い、何を自分で確かめたか
配属先への依頼最初の 1 か月で、メンターに見てほしいこと

うまくいっているかの測り方

総仕上げの効果を数字で測った公開記録は見つかりませんでした。公開されているのは研修後のアンケートで、DMM.com は研修ごとに「理解度」「学び度」「今後の活用イメージ」の 3 つの観点を 5 段階で付けてもらっています。

編集部の提案です。 アンケートに加えて、次の 3 つを配属後に見ます。

測ることいつ・誰が数え方
配属先が引き継ぎの 1 枚を使ったか配属 1 か月後に、研修担当が配属先のメンターに聞く新卒 1 人につき「使った・読んだだけ・読んでいない」の 1 つ
配属後最初の 5 本の PR の差し戻しの理由配属先のメンターが記録するPR 1 本につき理由を 1 行。評価シートの観点と重なるかを見る
受け入れ側のふりかえり配属 1 か月後に、伴走役と配属先のメンターでNE の形。新卒の振り返りを軸に、何が起きたかを並べる

差し戻しの理由が評価シートの「まだのこと」と重なっていれば、総仕上げは配属先に役立つ情報を渡せています。重なっていなければ、評価の観点を見直す合図です。来年の設計シートに書き戻してください。

各社が評価の観点や引き継ぎの中身を公開したら、この記事を更新します。

出典

確かめられなかったこと: ドワンゴの 2026 年度のチーム開発の期間は、受講者の記事 2 本で書き方が違います。クラスメソッドの 2026 年度のチーム開発研修の中身は公開されていません。

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